毎週水曜日23:00~絶賛放送中のNHK総合「ゲームゲノム」。
ゲームを文化・作品として掘り下げる教養番組である。
自分も毎週、リアルタイムで視聴してそのあとTwitterで感想を検索するまでをセットで楽しんでいる。
これまで第3回までが放送されており、それぞれ取り上げられた作品としては、
第1回『ワンダと巨像』『人喰いの大鷲トリコ』
第2回『ペルソナ5』
第3回『逆転裁判』
があり、第4回は『ダークソウル』が紹介されるとアナウンスされている。
ちなみに以前書いた第1回の感想はこちらである。
gameandbooknadonado.hatenablog.com
第5回以降はまだどの作品が取り上げられるのかが明かされていないため、せっかくなのでこれまでの放送を振り返りつつ、勝手にあれこれ今後紹介されるゲームについて想像を巡らせて楽しんでみたいと思う。
まずはこれまでの放送を分析して、どういった作品が紹介されるのかを考えてみた。
1.名作だと一定の評判がある
2.現行機(PS4/PS5/Switch/Xbox/PC)で遊べる
3.ジャンルが分散している
4.ストーリー性がある
5.他作品との差別化がなされている
まず、
1.名作だと一定の評判があるだが、第4回までの紹介作品は、少なくともゲームプレイヤーの中ではそれなりに知名度がある作品ばかりである。
そして、
2.現行機(PS4/PS5/Switch/Xbox/PC)で遊べるだが、これは紹介された作品に興味を持った視聴者が、すぐプレイすることができるように考慮されているのではないかと思う。
ゲームプレイヤーのみならず、これまでゲームに触れたことがなかったり、しばらく離れていた人たちも番組を観ているだろう。
そんなに面白いならやってみるかと思った時、今ではもう遊べない過去のハードのゲームだと分かったら、せっかく抱いたゲームそのものに対しての興味を削がれてしまうだろう。
自分は第1回で『ICO』がメインで紹介されなかったのはそれが理由だと思っている。『ICO』は元々PS2のゲームで、PS3でHDリマスターが発売されている。
現行機であるPS4/PS5で遊ぶにはPSPlusプレミアムというサービスに加入する必要があり、新たに遊ぼうとする人にとってはかなりハードルが高い。
3.ジャンルが分散しているだが、ジャンルの区分については人によって異なると思うが、おおまかに言えば『ワンダと巨像』『人喰いの大鷲トリコ』はアクション・アドベンチャー、『ペルソナ5』はRPG、『逆転裁判』はアドベンチャー、そして第4回『ダークソウル』はアクションRPGである。
そのため、これから紹介される作品も、バラバラのジャンルである可能性が高いのではないかと予想している。
とはいえ、ジャンルをまたいだ複数の要素を持った作品もあるし、
4.ストーリー性があるという点を考えてみると、ある程度範囲は狭まってくるかもしれない。
第3回までの作品に関しては、ストーリーを軸に作品について語る傾向があった。
自分は第4回『ダークソウル』については未プレイのため、どんな物語がどのように語られるのか予想がつかない。
そのためストーリー「性」という言い方に留めておいた。
ゲームプレイを通して、何らかのドラマがそこに発生する作品であれば、そこに語るべきテーマが生まれるのではないかと予想している。
5.他作品との差別化がなされているについてだが、『ワンダと巨像』では巨大なボスによじのぼって倒すという要素のみでゲームを構成したこと、『人喰いの大鷲トリコ』ではAIではあるが、まるで生きているかのようにリアルな存在感を放つ架空の動物トリコを生み出したことなどが挙げられるだろう。
申し訳ないが『ペルソナ5』は未プレイなので、番組内で紹介された内容しか分からず、詳しく語ることができないため割愛させてもらう。
『逆転裁判』は従来のミステリアドベンチャーゲームを「裁判」というゲームではあまり馴染みのない独自の切り口で、しかも誰にでも受け入れやすく、楽しむことができる形で表現したことが、なにより革新的な部分なのではないかと考えた。
(ちなみに自分は『逆転裁判1~4』『逆転検事』をクリアしている)
さて、これらの点を踏まえて、自分が今後紹介されるのではないかと予想するゲームは、
1.『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』
2.『Ghost of Tsushima』
3.『あつまれ どうぶつの森』
である。
いずれもクリア済みの作品となる。
1.『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』(Switch/Wii U/2017年)
ほぼすべてのゲームプレイヤーが知っている作品だろう。
名作であることは疑いようもなく、ジャンルとしてはアクション・アドベンチャー。
オープンワールド(正確にはオープンエア)作品は番組ではまだ紹介されていない。
どこまでも広がるハイラルの大地を駆け、パラセールで滑空し、山を登る……そのことに数多くのゲームプレイヤーが夢中になった。
自分も過去に本作で一番印象に残った場面について語ったことがある。
実はこの記事は自分でも結構お気に入りである。
ぜひ読んでみてもらいたい。
gameandbooknadonado.hatenablog.com
「ウツシエ」で蘇るゼルダ姫や英傑たちとの思い出、各地に残るかつての戦の跡など、ストーリーについても語るべきことは十分あるだろう。
フィールドは拠点を繋ぐだけの空間ではなく、歩くだけであらゆる発見がある、プレイヤーにとって常に刺激的な遊び場だった。
本作をプレイした人ならば肌感覚で分かるこの作品独自の魅力を、ぜひ「ゲームゲノム
で言語化してもらいたい。
2.『Ghost of Tsushima』(PS4/PS5/2020年)
アメリカのゲーム会社サッカーパンチが制作した、日本史でもおなじみの「元寇」を描いた鎌倉時代の対馬を舞台とした侍が主人公のゲーム。
なぜこの作品が制作されたのかを語るだけでも十分ドラマティックで、話題に事欠かないだろう。
そして侍である主人公が、目的のために誉れを捨てた冥人(くろうど)へと変わっていく中で味わう苦悩など、ストーリー性という点でも語るべきことは大いにある。
あとはこの「ゲームゲノム」が”NHK”で制作されるという点に注目してみると、舞台となった対馬や元寇についての映像資料が充実していそうなため、それを活用できるタイトルとして選ばれる可能性もあるかもしれない。
日本の美しい四季の風景が描かれた世界を鎧装束に身を包み馬にまたがって駆ける。
神社を参拝し、和歌を詠む。
映画監督黒澤明の作品をイメージした白黒の通称”クロサワモード”まで搭載した本作には、ありったけの日本文化への愛情が込められている。
ぜひとも「ゲームゲノム」で紹介してもらいたい一作だ。
3.『あつまれ どうぶつの森』(Switch/2020年)
あらためて考えると『どうぶつの森』シリーズをジャンルとしてなんと呼べばいいのか分からない。
スローライフ?生活シミュレーション?
言えるのは、本作が極めて特殊なゲームであるという点だ。
木を揺らして果実を取り、魚を釣り、好きな服に着替え、部屋の中にお気に入りの家具を並べる。
一つ一つの要素をとって見れば、他のゲームにもミニゲームとして登場するかも知れないものだが、それをすべて集結させ、それだけでひとつの作品として世に送り出されたのが『どうぶつの森』なのだ。
しかもこれらのゲーム内アクションは直感的な操作で遊ぶことができ、普段ゲームをしないような層でも気軽に手に取れる作品であるというのも魅力のひとつだろう。
そしてなによりカラフルでポップな色彩で描かれる本作の世界は、ひたすらほのぼのしており、ちょうど本作が発売された時期、パンデミックに沈んでいた気分を晴れやかに吹き飛ばしてくれるほどのパワーを放っていた。
現実の世界でなにがあっても、星型のマークを地面に見つければ、思わずスコップを手に駆け寄る。
掘り返した化石を手にすれば、それだけで幸せな気分になることができたのだ。
そしてオンラインで世界中の人とつながることができた点も大きい。
リアルではなかなか会えない友人たちと一緒に遊んだり、他のプレイヤーの島を訪問して自分の島との違いに驚いてレイアウトの参考にしたり、アイテムを交換するためにプレイヤー同士交流したり、楽しみ方は無限大であったと言えるだろう。
無人島を発展させるという最終的な目標は一応設定されているため、そこに至るまでのプレイヤーたちの試行錯誤をストーリー性として描くこともできるかもしれないが、むしろ先に上げたような世の中の状況とからめた方がより鮮明に『あつまれ どうぶつの森』の放った輝きについて語ることができるかもしれない。
番外編
プレイしていないが、これも「ゲームゲノム」で紹介されそうだと思う作品を挙げてみると、
・『UNDERTALE』
・『天穂のサクナヒメ』
・『Detroit Become Human』
などがある。
いずれも話題になったり、プレイ済みの人から評判の高い作品である。
これらの作品について、その魅力を「ゲームゲノム」でどのように紹介するのか、ぜひ観てみたい。
また、紹介される可能性は低いが、取り上げられたらうれしいと思う作品としては、
・『十三機兵防衛圏』
・『シェンムー』
などがある。
それぞれ紹介記事を書いたことがあるので、よければ読んでみて欲しい。
gameandbooknadonado.hatenablog.com
gameandbooknadonado.hatenablog.com
さて、それでは予想タイムはこのくらいにして、まずは来週の『ダークソウル』回を楽しみに待ちたい。
自分はいわゆる「死にゲー」をプレイしたことはないのだが、もしかすると、これを機に手を伸ばしてみたくなるかもしれない。
「ゲームゲノム」という番組が、自分にとって水曜日を待ち遠しくて仕方ないものにしてくれた。
全10回、各30分と言わず、ずっと続けていってもらいたいと心から思う。