鈴木の既読スキップ

なつかしゲームから最新ゲームまでアツく語る!

gamescom2022 ソウルライクアクション『偽りのP』タイトルがカッコいい!

ラクリ仕掛けで戦う『P』


現在ドイツで開催中のgamescom2022にて、ソウルライクアクションゲーム『偽りのP』の最新トレーラーが公開された。

 

 

『偽りのP』は19世紀のフランスを舞台としており、なんとあの童話『ピノキオ』をモチーフにした”死にゲー”である。

ピノキオは人間になりたいという願いを叶えるため自動人形を相手に激しいバトルを繰り広げる。

もちろん原作のほのぼの感はまったくない。

 

 

自分が一番「いい!」と思ったのはタイトルである。

原題は『Lies of P』。

自分は英語が苦手だが、おそらく直訳すると『Pの嘘』となると思われる。

そこを『偽りのP』としたセンスがたまらない。

「偽りの」というフレーズからカッコよさがほとばしっている。

そして、ピノキオ」を「P」と略すのもニクい。

 

 

日本で発売される時には、『Lies of P』でも『ライズオブP』でもなく、

ぜひともこのまま『偽りのP』というタイトルで販売してほしい。

 

 

今回のトレーラーではキャラクターの顔見せがあり、主人公ピノキオを始め、訳あり風の老婦人やゼペット爺さんらしき人物、貴族のような出で立ちの男性などが登場した。

人物はフォトリアルなグラフィックで表現されており、初めてその素顔が明らかになったピノキオは意外にも(?)端正な顔立ちの少年であった。

彼が19世紀の華麗な服装に身を包み、陰鬱な街角にたたずむ姿にはどこか退廃的な美が漂う。

 

 

『偽りのP』の雰囲気が好きな人は、9月に発売される『スチールライジングSteelrising)』もおそらくハマるだろう。

こちらも同じくソウルライクアクションであり、18世紀のフランス革命を舞台にルイ16世が率いる機械人形軍団と戦うというなんとも心惹かれるストーリーとなっている。

気になった人はぜひ調べてみてほしい。

 

 

しかし、自分はこれらのゲームを前にしてある大問題を抱えている。

”死にゲー”を一切プレイしたことがないのだ。

瞬時の判断が求められる類のゲームがあまり得意ではないため、手を出さないままここまでやってきた。

だが『偽りのP』には簡単には諦めがたい魅力がある。

この課題をどうするか――

 

 

『偽りのP』の続報を待ちながら、ゆっくり検討することにしたい。

 

『春ゆきてレトロチカ』ネタバレなしクリア感想。クラシカルでこの上なく”エモい”ミステリ

『春ゆきてレトロチカ』(スクウェア・エニックス/PS5/PS4/Switch/PC/2022年)をクリアしたので、ネタバレなしで感想を語っていきたいと思う。

 

 

前回の記事でシステム面については語ったため、作品全体について述べることにする。

 

gameandbooknadonado.hatenablog.com

 

 

とてつもなく”エモい”

まず、このゲームをクリアして真っ先に頭に浮かんだのは、”エモい”という言葉だった。

心を揺さぶられ、こみ上げてくる感情を抑えきれないという意味である。

 

ミステリと”エモさ”は一見相反するジャンルにある言葉だと感じるかもしれない。

プロモーションでもこの『春ゆきてレトロチカ』は犯人当てがメインのゲームだと説明しており、手がかりを元に論理的に真相を明らかにすることがキモの作品であるかのように思われた。

前回の記事を書いた時点では、そのような認識でプレイしており、推理ゲームとして十分に本作を楽しんでいた。

 

しかしクリアしてから改めて振り返ると『春ゆきてレトロチカ』はミステリとしての面白さも持ちながら、それを上回るほどストーリーの秀逸さが際立っていたゲームであったという印象が強い。

 

 

浮世離れしたクラシカルな世界観

大正・昭和・令和と3つの時代を越えて100年に渡って繰り広げられる四十間家の物語。

 

主人公の河々見はるかは現代を生きるキャラクターである。

だが、彼女が訪れる四十間邸の人々はみな着物姿であり、立派な庭を持つ広大な屋敷というロケーションもあいまって、令和のシーンであってもどこかクラシカルで現実離れしたムードが漂う。

 

外界から隔絶されたような四十間邸においては、なるほど何が起きてもおかしくはないかも知れないと次第に思えてくるのである。

 

着物に帽子というスタイルの魅力に気づかされた作品

 

効果的なマルチロールシステム

はるかが過去に書かれた文章を読みながら思い浮かべたイメージを映像化したという設定の大正・昭和編では、本作の売りの一つである「マルチロールシステム」が大いに活かされている。

 

これは同じ俳優が時代が変わるごとに別の役を演じるというシステムであり、事件によっては犯人であったり被害者であったり、ただの脇役であったりと人物の重要度も異なる。

 

しかし、それぞれの見せ場はきちんと用意されており、物語を進めていくうちにプレイヤーが主要な俳優たちの顔をしっかりと覚えることができるようになっている。

 

そのことで現代の令和では出番が少ないキャラクターに対しても、よく見知った人物のように親しみを感じるという不思議な現象が起こるのである。

そしてそれこそが『春ゆきてレトロチカ』においては重要なポイントになっていたのだと今では分かる。

 

 

ネタバレなしだからこそ味わえる

本作は公式がネタバレ禁止を謳っている。

だが、たとえその禁止令がなかったとしても自分はこの作品の要の部分については語ることはしなかっただろう。

 

なぜなら自分が感じたこの”エモさ”は『春ゆきてレトロチカ』を始めから最後までプレイした人だけが味わうことができるものだと思うからである。

 

自らの手で事件を解決し、その中で登場人物たちのことを知っていくという過程があってこそ、輝くエンディングなのだ。

少しでも興味のある人は、ぜひとも100年に渡る物語の謎を解き明かし、クリア後に胸に押し寄せてくる感情の波に身を任せてほしい。

一人でも多くの人にこの”エモさ”を味わってもらいたいと思うばかりである。

 

 

最後に

本作で唯一ネックになっていた操作性についても8月10日に修正パッチが入り、かなり改善され、遊びやすくなったようである。

夏休みを前に何か面白いゲームはないか探しているストーリー重視のプレイヤーにはぜひともおすすめしたい作品だ。

 

3色だんご銃!?『バディミッション BOND 大抗争! ミカグラカップ』サイトOPEN!あらすじの勢いで夏の暑さも吹き飛びそう

だんごと銃。異色のコラボレーション

 

9月24日(土)に開催されるゲーム『バディミッションBOND』の朗読劇イベント『バディミッション BOND 大抗争! ミカグラカップ』の公式イベントサイトがOPENした。

 

チケット情報など詳細についてはそちらを参照してもらいたいが、その際必ず見てもらいたい項目がある。

それは「STORY」である。

朗読劇のあらすじが書かれており、これが『バディミ』コンテンツをほぼ網羅している自分でさえ二度見三度見するようなとてつもないインパクトのある内容なのである。

 

まだ読んでない人はまずはサイトを見てきていただきたい。

その後戻ってきて続きを読んでいただければより自分の言いたいことが分かってもらえるだろう。

 

自分が注目したのは以下の点である。

 

○エンディング後から約2年後→『バディミ』全コンテンツ内で最新時空

○アップルパイ・ボム→初登場

○スポーツ街→バスの路線図にも載ってない完全新エリア

○和菓子屋社長と洋菓子屋CEOがサッカーのオーナーかつマフィアかつ豪華声優→情報量多すぎて混乱

○3色だんご銃→初登場。パワーワードとはまさにこのこと。

○わけあってハーフタイムショーに呼ばれたチームBOND→ぜひとも理由を知りたい!

 

ストーリーを勝手に想像してみると、恐らく、3色だんご銃で洋菓子CEOを襲ったのは和菓子屋とは別の勢力で、和菓子社長の仕業に見せかけることで2つのマフィアの衝突を目論んだのではないだろうか。

人物紹介を読むとどちらのマフィアのドンも「話せば分かる」感があるので、最終的には漁夫の利を狙った真犯人を検挙して、2人は和解して終わるという気がしている。

 

これまでのミッションでは必ず「ショーの裏側で潜入する」という設定があったため、今回もハーフタイムショーの裏側で、

昼公演はモクマ&チェズレイが潜入して、夜公演はルーク&アーロンが潜入するということになるのではないかと予想している。

いったいどこに潜入するかというと、やはりスタジアムの客席ということになるのだろうか。

スポーツ街名物だというだんごとアップルパイは恐らくスタジアムの売店でも販売しているだろう。

大勢の観客たちがアップルパイを食べていて、そのどれかに爆弾が仕組まれており、それを探してルークたちは奔走する――

 

ビルがひとつ吹き飛ぶらしい

 

 

と、ここまで予想したが、多分ハズレているだろう。

なぜなら前回の記事でミカグラカップのあらすじ予想をしたのだが、それがいっそ清々しいほどにハズレていたからである。

見事にかすりもしなかった。

時間のある人はその大ハズレぶりをみて笑ってほしい。

 

gameandbooknadonado.hatenablog.com

 

そもそも、『バディミッションBOND』で爆発物が登場しないわけがなかった。

ここまでこの作品を追い続けていながら、不覚であるとしか言いようがない。

だが、正直自分の予想がハズレていてうれしい。

 

『バディミ』は何度も何度もプレイヤーの予想を裏切る、ジェットコースターのように勢いのあるストーリーが魅力的な作品である。

今回もそんな単純なストーリーではないと思われる。

なんらかのギミックが仕込まれているに違いない。

 

そして自分は、何回でも『バディミ』に見事にしてやられたくて仕方ないのだ。

心からイベントが待ち遠しくてたまらない。

 

なお、今回のイベントは初の有観客イベントとなるが、前回の朗読劇『バディミッションBOND メテオライト・ショー(通称バディオラ)』とは異なり、

まず抽選方式のプレオーダー期間が設けられており、その後一般発売となるようだ。

前回は発売開始からすさまじい速さでチケットが売り切れ再販もされたほどなので、時間の都合がつかない人にとってはありがたい方法だと言えるだろう。

 

自分は配信で昼夜両公演を見ることに決めているので、視聴のお供にするのはアップルパイかだんごかということで目下悩んでいる。

夕飯はやはり月見うどんにするべきか。

当日まで厳選して配信に備えたい。

 

『Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)』高難易度ミステリー。難破船で60人の死因を特定せよ!

『Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)』(PC/PS4/Switch/X box One/2018年(PC)/2019年)は、一人称視点のミステリーアドベンチャーゲームである。

 

本作は個人開発者Lucas Pope氏が手掛けたインディーゲームであり、同氏が手がけたPapers, Please』が8月5日にiOSAndroidにて発売されたばかりである。

 

両作品には直接の繋がりはないが、これを機にぜひとも『Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)』の面白さを知ってもらいたいと思い、この記事を書くことにした。

 

 

高難易度ミステリー

本作はPC(Steam)で発売された当初から「難しい」と評判になっていたゲームである。

アクション要素や時間制限は一切なく、自分のペースでプレイできるアドベンチャーゲームであり、難しさはあくまで「いかに推理を導き出すか」という一点に絞られている。

 

ユニークな設定、インパクトのあるビジュアル、そして自分が好きな「船」がメインのゲームということで、PS4版が出てすぐにプレイした。

 

 

どういうゲームか

舞台は1802年のイギリス。

ロンドンから出港したのち消息不明となっていた商船「オブラディン号」がある朝突然、ファルマス港に姿を現すところからゲームは始まる。

幽霊船のようにボロボロになった船体、数名の亡骸を残して姿を消した乗組員たち。

明らかにただならぬ様相であり、「オブラディン号」で恐ろしいことが起こったのは間違いなかった。

 

真相を、ぜひともその目で見てほしい

 

プレイヤーは東インド会社の保険調査官となって損害査定書を作成するため、「オブラディン号」で何があったのかを調査するべく船に乗り込むのである。

 

 

保険調査官として「お仕事」するのみ

対象者の死の瞬間まで時間を遡ることができる不思議な懐中時計を手に、プレイヤーは過去と現在を行き来する。

 

刻まれた文字は「死を忘るるなかれ」

 

そう聞くと、船に起こった悲劇を回避するためにタイムリープを繰り返すゲームなのかと思うかも知れない。

しかしプレイヤーにできるのは時間が静止した過去の世界を歩き回り、乗組員たちの死の現場をただ「見る」だけなのである。

起こったことを変えることは一切できない。

あくまでプレイヤーは保険調査官として、60名の乗組員全員の身元および死因を特定するのが目的なのである。

 

 

尖ったビジュアル、モノクロの世界

この設定だけでも十分個性的なゲームだが、ビジュアルもかなり特徴的だ。

すべてが1ビットで表現されており、船も人物もなにもかもがモノクロなのである。

自分は外国の古い本の挿絵や銅版画を思い出した。

 

本作には凄惨な事件現場が次々に登場するのだが、それらも白黒で描かれているためグロテスクさはかなり薄らいでいると感じた。

ドットの集合体として表現された血飛沫や、絶妙に影になって黒く塗りつぶされた死体の切断面などは、凝視しても生々しさはなく、どこかサラリと乾いた手触りである。

 

そして何よりも、プレイヤーには死因を特定するという役目があり、目の前にあるのはただの死体ではなく、その身に解き明かすべき謎をまとった死体である。

次第にどんな衝撃的な光景が繰り広げられていようと、冷静に事件現場を眺めることができるようになるだろう。

ひたすら手記に真相を書き留めていく

 

印象的な効果音と音楽

3人分の身元と死因を特定するとゲームが進行するのだが、その時に流れる「ジャジャン!!」という効果音は気分を高揚させてくれる。

新しい章が始まる時に流れる曲も、どこか不吉で謎めいた、耳に残る旋律である。

淡々と進むゲームプレイの中でこれらはいいアクセントになってくれた。

 

 

プレイ後の感想

本作は確かに難しかった。

しかし、とてつもなく面白かった。

プレイ時間は10~15時間ほどであったが、中身がぎっしりと詰まっており、エンディングを迎えたときには大作ゲームをクリアした時と同じくらいの充実感があった。

自分は攻略を一切見ずにプレイした。

途中どうしても分からずに総当りで進めた場面もあるが、自力で「オブラディン号」の真相にたどり着くことができてホッとしている。

 

 

最後に

難しいミステリーゲームを探している人、自分のペースでプレイできる3Dアドベンチャーゲームを探している人、

そしてこの夏、無人の難破船で肝試しがしてみたい人も、ぜひとも『Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)』を遊んでみてほしい。

 

夏だ!ホラーだ!フロムゲー『エコーナイト』の思い出を語りたい

初代PSの荒いポリゴンならではの怖さがある

 

2022年ももう8月まで来た。

蝉しぐれを浴びながらアスファルトの上を歩いていると、まさに夏真っ盛りであると実感する。

夏といえば、そう、ホラーである。

ゲームでも一大ジャンルであるホラーには、数多くの名作が存在している。

 

その中で自分が語れる作品があるとすれば『エコーナイト』(フロム・ソフトウェア/PS/1998年)である。

本作は無人となった豪華客船オルフェウス号を探索していく一人称視点のポイント&クリック形式のアドベンチャーゲームとなっている。

 

 

エコーナイト』を遊んだ理由

実は、自分はホラーがあまり得意ではない。

ではなぜ『エコーナイト』をプレイしたかと言えば、舞台が船だったからというのが大きい。

自分は大航海時代III Costa del Sol』コーエー/PC/1996年)をプレイしてからというもの、船の魅力にハマってしまった。

船がらみの映画やドラマを見たり、本を読んだり、リアル船を見に行ったりもした。

一番好きなのは木造帆船なのだが、『エコーナイト』のような豪華客船も守備範囲である。

つまりホラーゲームとしてというより、「船ゲー」として本作をプレイしたわけである。

 

そして無人になった船、といえば思い出すのは有名な「マリー・セレスト号」の事件である。

今しがたまで乗組員がいたかのような形跡を残しながら、無人のまま大海原をさまよっていたこの船の謎は未だに明らかになっておらず、それゆえ人々の心を惹きつけてやまない。

明かされない方がいい謎だってある

 

自分も子どもの時にこの事件について書かれた『消えた人間消えた船』(ポプラ社)という本を読んでからずっと頭の片隅にマリー・セレスト号のことが残っていた。

しかも『エコーナイト』では豪華客船がまるまる無人になっているという規模の大きさである。

 

ミステリアスな雰囲気をまとった船ゲー。

こんな面白そうな題材がそろっているからには、得意でないホラーゲームにも手を伸ばしたくなるというものである。

 

次は、この『エコーナイト』が自分にとってどういったゲームであるのかを語っていきたい。

 

 

電気のスイッチを必死で探すゲーム

エコーナイト』をプレイした人なら分かると思うが、このゲームほど電気のスイッチを探すのに血眼になる作品はないだろう。

豪華客船オルフェウス号には悪霊がさまよっており、プレイヤーを攻撃してくる。

反撃をすることはできず、ただ逃げ回るのみである。

だがその悪霊は、電気を点けることでいなくなるのだ。

そのため、新しく足を踏み入れたエリア&部屋でまずすることは電気を点けることなのである。

 

 

寝てる耳元で蚊が飛んだ時より素早く電気を点ける

 

単純にスイッチを押すだけで済むならいいが、中にはブレーカーを修理しなければ電気が点かないというステージもある。

 

ブレーカー修理には必要なアイテムがあり、それが無いと修理は失敗してしまう。

悪霊に出くわさないよう祈りながらアイテムを探し、ブレーカーを修理できたら、部屋に戻って電気のスイッチを押すのだ。

手間取っていると悪霊が現れてしまうので、大急ぎで、しかし冷静さを保ちながら的確にスイッチを探し当て、押す。

 

スイッチはたいていドアの横にあるのだが、たまに別の場所にあったりもする。

だが常識的なところにあるので、落ち着いて考えればおおよその位置の検討はつくだろう。

電気が点くと一安心。

これでようやくゆっくりと探索をすることができるのである。

自分にとって『エコーナイト』はまず「電気点けゲー」として記憶に残っている。

 

 

幽霊の心残りを晴らしてあげる成仏ゲー

しかし本作の真髄は、オルフェウス号にとどまっている幽霊たちの心残りを晴らし、成仏させてあげるという「成仏ゲー」部分にあると自分は思っている。

 

船にはプレイヤーを追いかけ回してくる悪霊の他に、数多くの無害な幽霊たちがいわば地縛霊のようにその場に留まっている。

黒い人影のような姿をした彼らは、失くしてしまった大切なものや果たせなかった約束にとらわれて成仏できずにいる。

「どこへ行ってしまったんだ…大切なものなのに…。あれがないと俺は…ああ…」

だいたいこのようなことをつぶやいている。

プレイヤーはアイテムを探し出したり、ちょっとしたパズルを解いて彼らの願いを叶えてあげることになる。

 

幽霊たちに探し求めていたアイテムを渡すと、彼らは感謝の言葉をのべて、消えていくのである。

「ああ…これだ。これをずっと探していたんだよ。これでやっと…。ありがとう…」

これがとてもグッと来る。

良かったなあ、いいことをしたなあとじんわり胸が熱くなるのである。

彼らのために電気の点かないエリアを悪霊と鬼ごっこしながら走り回ったとしても、それが報われるだけのカタルシスがこの成仏シーンにはある。

だからこそホラーが苦手な自分でもこのゲームを最後までクリアすることができた。

 

エコーナイト』にはメインストーリーもあり、それも十分に見ごたえのあるものなのだが、より深く心に残っているのは、幽霊たちの悲しく切ないエピソードの数々の方である。

自分にとって本作はなによりも「成仏ゲー」なのである。

 

 

最後に

さて、「電気点けゲー」として、そして「成仏ゲー」としての『エコーナイト』の思い出を語ってきたが、いかがだっただろうか。

アドベンチャー好きの自分にとってはフロム・ソフトウェアのゲームといえばこの『エコーナイト』とそして『Déraciné(デラシネ)』である。

 

『Déraciné(デラシネ)』って何?という人は、以前書いたこの記事を読んでもらいたい。

こちらはホラーではない、一人称視点のアドベンチャーゲームである。

 

gameandbooknadonado.hatenablog.com

 

『Déraciné(デラシネ)』と違って『エコーナイト』には宮崎社長は関わっていないが、この2作には共通したムードがある。

温かみがありながら、静かな悲しみをたたえたゲームであり、そしてクリア後には深い余韻が残る。

どちらも紛れもない名作であると思う。

 

自分はこれからも、フロム・ソフトウェアが作るアドベンチャーゲームを待ち続けたい。

だが、できればホラー以外でお願いしたい…!

今回『エコーナイト』の思い出を振り返って心からそう思った次第である。

 

インディーゲーム紹介配信「asobu INDIE SHOWCASE 2022」この1作!『Strange Horticulture -幻想植物店-』街の人々の命運を握る薬草師アドベンチャー

良作のオーラを感じる

 

7月30日20:00よりYoutubeおよびTwitchにて配信されたインディーゲーム紹介番組「asobu INDIE SHOWCASE 2022」。

およそ2時間30分にわたる配信番組であり、充実したラインナップの紹介に加え、音楽ライブや製作者インタビューなど盛りだくさんの内容であった。

 

 

絵本のようなビジュアルが印象的なアドベンチャーゲーム『OU』や、90年代の正統派JRPGを思わせるような『Sea of Stars』など気になる作品はいくつかあったが、

その中でも自分が一番「おっ」と身を乗り出したのは1:14:14~紹介された、

『Strange Horticulture』である。

 

 

『Strange Horticulture』は街の薬草師として人々の依頼を受け、必要な植物を採取し調合するというアドベンチャーゲームである。

採取した未確認の植物の効果を特定する部分がパズルになっているらしい。

自分の目を惹いたのはそのグラフィックである。

2Dのゲーム画面は渋めの色調で描かれており、中世の写本のようなタッチの植物図鑑や、採取に赴く際に映し出される古地図のようなワールドマップがどこか格調高い雰囲気を漂わせている。

 

 

調べてみると1月よりSteamにて発売されており、すでに架け橋ゲームズから日本語ローカライズもアップデートされているようだ。

そしてちょうど7月30日からSwitch版『Strange Horticulture -幻想植物店-』の配信がスタートしていた。

 

 

詳細は販売ページを参照してもらいたいが、

発売記念セールとして、Switch版は8月5日(金)まで、25%OFFの1335円で購入できるようだ。

 

 

また、タイトルで検索するとSwitch版発売をアナウンスするファミ通および4Gamerの記事が出てくる。

これを読むと本作は依頼を受けて薬を調合しつつ、数百年におよぶ謎を解くというミステリー要素もあるらしい。

自分はミステリーゲームが大好きである。

ただでさえ面白そうなゲームだというのに、そんなストーリーまであるのだとしたら、これはもう買うしかない。

 

 

「asobu INDIE SHOWCASE 2022」はアーカイブ配信もしているので、

1:14:14~ぜひこの『Strange Horticulture』がどんなゲームなのかチェックしてもらいたい。

 

ゲーム『グリムグリモア OnceMore』ヴァニラウェアの名作ファンタジーRTSが復活!

タイトルが韻を踏んでいてすごくいい

 

7月28日(木)『グリムグリモア OnceMore』(日本一ソフトウェア)がPS4/Switchにて発売される。

本作は2007年にPS2で発売された魔法ファンタジーRTSグリムグリモア』のリ・クリエイト(公式HPより)作品であり、様々な追加要素が加わりバトルに深みが増しているようだ。

自分はオリジナルのPS2版をクリア済みである。

ストーリーについては『グリムグリモア OnceMore』でも変更はないということなので、当時自分が感じたあの面白さをそのままに、この名作が現代に蘇ったということをうれしく思う。

 

 

惹きつけられるストーリー

舞台となるのはとある魔法学校であり、そこへ入学したばかりの主人公リレ・ブラウは大いなる試練に直面することになる。

彼女は持ち前の知恵と勇気を駆使して、数々の困難を乗り越え、学園に起こった出来事の真相を明らかにしていくのである。

自分が本作で一番推したいのはやはりこのストーリーであり、ネタバレを避けるために詳しくは語らないが、魔法学校というミステリアスな舞台で繰り広げられる謎が謎を呼ぶ展開の連続には大いにワクワクさせられた。

 

 

ヴァニラウェアが誇る魅力的なグラフィック

このゲームの美麗なグラフィックに注目している人も多いだろう。

開発は、『十三機兵防衛圏』の大ヒットも記憶に新しいヴァニラウェア有限会社であり、『ドラゴンズクラウン』『オーディンスフィア』などで見せたような魅力あふれるファンタジー世界が本作でも描かれている。

自分も購入のきっかけとなったのはゲーム雑誌の紹介記事に載っていたイメージビジュアルを見たことだった。

主人公リレが不思議の国のアリスのように落下するイラストが、とてもファンタジックかつポップで目を引いた。

これが自分が初めて見たヴァニラウェアのイラストであり、その独特の雰囲気にすっかり魅了されてしまった。

RTSというジャンルには触れたことがなかったが、それでもどうしてもプレイしたいと思えるほど、このインパクトは大きかったのである。

公式HPで見てみると、ゲオの予約特典のクリアファイルにこのイラストが使われているようだ。

他にもいろいろなイラストが見られるので、よければ公式HPをチェックしてみてほしい。

 

応援したくなる主人公リレ・ブラウ

 

謎多きキャラクター

イベントシーンはキャラクターの2D立ち絵で進行する。

登場人物はいずれも個性派ぞろいであり、ファンタジーならではの驚くような背景を持つキャラクターも多く、次第に明らかになる彼らの正体も注目してほしいポイントである。

ちなみに自分は魔法学校の教師であるアドヴォカート先生がお気に入りだ。

よく見るとキャラクターたちは呼吸しているかのように胸が上下しており、今では珍しくもない技術かもしれないが、当時そのことに気がついた時はこんな表現ができるのかと驚いたものである。

 

 

無双できる!?RTSバトル

キャラクターたちのインパクトに圧倒され、学園に起こる出来事に目を見張っているうちにプレイヤーはバトルに放り込まれる。

自分は物語の続き見たさに不慣れなRTSに気合を入れて取り組んだ。

初めこそ四苦八苦していたが、自分なりのセオリーを見つけた後半からはほぼ負け知らずの状態になり、敵を圧倒的パワーでなぎ倒すのが爽快だった。

グリムグリモア OnceMore』ではバトルシステムが一部変わっているようなので、そこまで簡単にはいかないかもしれないが、難易度選択もあるのでぜひ活用してほしい。

 

 

グリムグリモア OnceMore』は現在、本編にデータを引き継げる序盤の体験版を配信している。

購入前に雰囲気をつかみたい人は、ぜひダウンロードしてみてほしい。