9月13日23:00~放送された「Nintendo Direct 2022.9.13」。
充実したラインナップで開幕早々の『ファイアーエムブレム エンゲージ』の発表や、個人的に注目していた『超探偵事件簿 レインコード』の続報など見どころはたくさんあった。
その中でももっともテンションがあがった発表は『オクトパストラベラー2』である。
前作『オクトパストラベラー』(スクウェア・エニックス/Switch/PC/XBOX ONE/2018年~)は「HD-2D」というドット絵を進化させた独自のグラフィック表現を生み出したことでよく知られているだろう。
続編について制作をしているという話はあったが、進捗などは一切分からない状態であったため、まさかこのニンダイで発表されるとは思っていなかった。
スクエニのロゴが出て、なんだろうと考えているところに、あのメインテーマが流れ始め、画面に釘付けになった。
主人公8人のキャラクターは一新、そして舞台もソリスティア大陸というまったく別の場所となるようだ。
発売は2023年2月24日であり、半年も待たずにプレイできる。
詳細については公式発表をぜひ参照してもらいたい。
この先は、自分が初代『オクトパストラベラー』およびSwitch本体を購入したときのドタバタの一幕を振り返る、いわばただの個人的な思い出話であるので時間のある人だけ読んでいただきたい。
いつか改めて『オクトパストラベラー』についての紹介記事は書きたいと思っている。
しかし今回はゲームの内容にはほとんど触れていないので、本シリーズにかける自分の思いは伝わるかも知れないが、購入の参考にはまったくならないだろう。
『FFT』の面影
自分は何を隠そう『オクトパストラベラー』をプレイするためにSwitchを購入したのである。
そして、その判断は間違っていなかったという思いを今噛み締めている。
もともとPS4を所持していたので、基本的にSwitchのゲームについてはあまり注目していなかったのだが、『オクトパストラベラー』が発表されたときに胸がざわめくのを感じた。
「なんだか、ビジュアルが『ファイナルファンタジータクティクス』を思い出す……」
あくまで個人的な意見であるが、そう思ったのである。
ドット絵のキャラクターと背景全体にメインとして中間色が使われているところや、メッセージウィンドウのデザインなどが『FFT』を彷彿とさせたのだ。
自分の『FFT』への並々ならぬ思い入れについては以前に書いたこの記事を読んでもらいたい。
gameandbooknadonado.hatenablog.com
スクエニは8人のキャラクターを1人ずつ紹介するムービーを順次公開していっており、そこでは主人公たちのイラストや設定、そして彼らがマップ上で使うことの出来る「フィールドスキル」について明かされていった。
自分は新ムービーが公開されたと聞きつけると必ず見に行き、「このキャラクターいいなあ」「このフィールドスキルめちゃめちゃ面白い」などと思いながら、「でもSwitch持ってないんだよな……」と途方に暮れる日々を送っていた。
今でこそ「買えばいいだけじゃないか?」と分かるのだが、当時はPS4というゲームハードをすでに持っているのに他のゲーム機を買うのは「ぜいたく」であるという謎の思い込みに縛られていたのである。
そしてジョブチェンジの存在が明らかになったとき、自分の心は千々に乱れた。
『ファイナルファンタジータクティクス』にもジョブチェンジのシステムが存在し、それに大いにハマった身として、これを無視することは到底出来ないと思ったのである。
8人の主人公がすべて出揃ったとき、自分は全員のことをすでに好きになっているということに気がついた。
ムービーを繰り返し見て、流れているメインテーマももはや覚えてしまった。
財布を手に走り出した
そして『オクトパストラベラー』が発売された。
Twitterで売り切れ続出という情報を目にして思った。
「売り切れもするだろうな、だってこんなに面白そうなんだから……」
ため息まじりにスマホを眺める。
いや、待てよ。
ゲーム機を2種類持ってたっていいじゃないか。
その費用がないわけでもないし、何に対してそれを「ぜいたく」だなんて遠慮することがあるんだろうか。
そのことにようやく気が付き、財布を持って家を飛び出した。
最寄りの電気店でSwitchを手に入れることが出来た。
しかし、ネットの評判通り『オクトパストラベラー』はここでも売り切れだった。
考えろ……思い出せ……
そうだ、ダウンロードカード!!
Switchを抱えてローソンに向かい、入口付近の普段見たこともないような棚を目を皿のようにして探す。
あった!!
急いでレジに向かい、会計をすませてダッシュで帰宅した。
アナログ人間の悲しみ
嘘だ……
誰か嘘だと言ってくれ……
Switchのドックを前に、呆然と立ち尽くした。
インターネットのケーブルが、刺さらない。
調べると、専用のパーツが必要とのことだった。
ゲーマーなら知っていて然るべき知識なのかもしれなかったが、自分が普段オフラインのゲームしかしていなかったため、ネットに繋ぐことについて考えたこともなかったのだ。
電気屋までの道のりは長く、さらに発売されたのは7月の暑い最中だった。
そもそも普段出不精の自分が思いつきでSwitchを買いに走った事自体が奇跡のような出来事だった。
正直もう一度は行きたくない。
じゃあどうする?
プレイを諦めるのか、ここまで来て。
真新しいSwitch、そして光沢を放つダウンロードカードを見やった。
通販も頭をよぎったが、到着を待っていられる気分ではなかった。
どうしても――
どうしても今すぐ『オクトパストラベラー』がプレイしたい!!
自分の中にその思いが溢れてきた。
腹を決めた。
そして再び財布を手に電気店に向かったのである。
店員に歩みよる自分は恐らく早足で、必死な顔をしていただろう。
「Switchをネットに繋ぐパーツはどこですか!」
もしかするとその店員は先ほど自分がSwitchを買った時に対応してくれた人かもしれなかった。
Switchを買った客が血相を変えて戻ってきてネットに繋ぐパーツを買っていく――。
スーパーのカゴににんじん・じゃがいも・たまねぎとカレールーを入れている人の夕食を当てるようなものだろう。
彼らの目に自分がどう映ったのかについては、あまり深く考えないことにしよう。
夏の暑い日に、めったに行かない電気店に一日に2回も行くという疲労の限界にありながら、どうしても『オクトパストラベラー』をプレイしたかった自分は、慣れない手付きでSwitchのコントローラーを握り、目を白黒させながら各種設定を進めていった。
『オクトラ』漬けの夏
そしてゲームがついに始まった。
自分が選択した主人公はアーフェンだ。
理由は「いいヤツそうだから」である。
そして『オクトパストラベラー』とともに夏は過ぎていった。
音楽があまりにも素晴らしいので久しぶりにサントラCDを買い、そして設定資料集も手に入れゲーム世界にどっぷりと浸かった。
グッズは普段買わない派の自分だが、ワールドマップが書かれたクロスクリーナーは思わず購入してしまい、しばらく冷蔵庫に貼って眺めて冒険の日々を思い出していた。
そして『オクトパストラベラー』で主人公に選んだアーフェンは、プレイ前の期待を裏切らず正真正銘の「いいヤツ」であったということをここに表明しておく。
『オクトパストラベラー2』では、商人のパルテティオというキャラクターにアーフェンに似た雰囲気を感じるので、今のところは彼が主人公候補筆頭である。
大いなる決意のもと購入に踏み切ったSwitchは、その後2本目に選んだゲームが『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』であったという点を差し引いても大活躍してくれ、今もPS4とともに仲良く並んでいる。
さて、長々と書いたが、恐らく「Switchを初めてネットに繋ごうとする初心者」には役に立てる記事だったかもしれない。
明日から始まる東京ゲームショウの9月17日17:00~スクエニの配信では『オクトパストラベラー2』の公式生放送があるらしいのでぜひ視聴しようと思っている。