『ディスコ エリジウム ザ ファイナルカット』(スパイク・チュンソフト/PS5/PS4/Switch/2022年)の序盤をプレイした感想を語りたい。
自分が遊んでいるのはSwitch版である。
このところゲームはほぼダウンロード購入していたが、本作については予約特典の「捜査ハンドブック」が欲しかったためにパッケージを選択した。
とにかく饒舌な住人たち
5~6時間ほどプレイしていると思うが、殺人事件の捜査は全くと言っていいほど進展していない。
ひたすら街の人の話を聞いている。
このゲームに登場するキャラクターはとにかくよくしゃべるのだ。
すべてのセリフを聞かなくても話を進めることは出来るのだが、自分はあえて聞いている。
事件を解決するためというのもあるが、それ以上に、この奇妙な世界「エリジウム」の輪郭をつかみたいという欲求が生まれており、できるだけ多くの情報を引き出して回ろうと決めたからだ。
しかし「一人が30分くらい話し続ける」という噂を聞いて、そんなまさかと思ったが、そのまさかだった。
全員ではないが本当にそのぐらい長くしゃべるキャラクターは存在するのである。
本作は元々英語で出たゲームであり、評判は高かったが文章量の凄まじさから翻訳は不可能とまで言われていた。
そのため日本語ローカライズが決定したときは喜び、発売を今か今かと心待ちにしていた。
現時点で、自分が求めていた圧倒的文章量への期待に本作は十分答えてくれていると言っていいだろう。
24のスキル(人格)との脳内会議
ただでさえよくしゃべる登場人物に加え、本作の非常にユニークな設定として主人公の脳内には24の人格が存在しており、それらがひっきりなしに話しかけてくるのだ。
それぞれ慇懃無礼だったり粗野であったりとスキルの傾向に合わせた特徴的な口調をしており、代わる代わる主人公に語りかけ、選択を迫ってくる。
自分は「薄明」というスキルが出てくると、「またお前か……」という気持ちにさせられる。
「薄明」は非常に暴力的な人格をしており、すぐに力づくで解決しようとする。
さすがにそれはないだろう、というようなことを語りかけてくるのだ。
大半はスルーしているのだが、時折その方法を取るしか打破できないと思われる場面があり、なんだかんだ彼の話に乗ってしまっているのも事実だ。
しかし自分が選んだのが「神経質」という精神に優れた、言葉を武器とするアーキタイプのせいか失敗してばかりである。
相棒のキム・キツラギには情けないところばかり見せているので、呆れているかもしれない。
自分がそんな選択をしているせいか、得意スキルであるはずの「内陸帝国」はあまり出てきていないように感じる。
ネットの評判では「内陸帝国」が人気があるようなので気になって「神経質」タイプを選んだのだが……。
このままでは「薄明」と懇意になってしまうかも知れない。
悪趣味なネクタイを黙らせる
主人公が身につけているのは、非常に悪趣味なネクタイである。
いかにキテレツな代物であるかが繰り返し語られるので相当だろう。
そしてそのネクタイは、なんと主人公に語りかけてくる。
登場人物+24の人格+ネクタイ。
本当にすごい文章量である。
しかしこのネクタイ、乱暴者の人格「薄明」を上回る非常識な性格をしている。
その提案はかなりロクでもない。
途中でネクタイの話に耳を貸すか選択肢が出てくるのだが、自分は喜んでネクタイを黙らせるものを選んだ。
おかげで話しかけてこなくなったのだが、ネクタイと話すのもそれはそれで面白いらしいので、2周め以降は彼(?)の話に付き合うのも悪くはないかもしれない。
意外に死んでない
発売前は簡単なことで死に至るという評判だったので覚悟していたのだが、意外にもまだ一度も死亡しないまま進んでいる。
こまめにセーブするようにしているのだが、ロードもまだしたことがない。
相棒のキム・キツラギがらみの選択肢でミスをしてしまい、スキル「権威」にも手厳しく批判されたのだが、とにかく一周目は直感を信じてプレイしようと思ってやり直しすることなく進めている。
楽しみなカラオケ
スタート地点となるホテルにはステージがあり、スタンドマイクが設置されているのだが、「内陸帝国」がなぜか主人公に歌うようそそのかしてくる。
むしろ焚きつけると言ってもいいくらい執拗に歌わせようとしてくるのである。
自分はいろいろなイベントを見たいと思っているので歌うことは歓迎なのだが、どうしてそこまでカラオケさせたがるのかが謎である。
残念なことに現時点ではまだ不足しているアイテムがあったため歌うことは出来なかった。
このカラオケがストーリー上必須なのか、お遊び要素なのか不明だが、「内陸帝国」の期待に答えるためにも歌える日を楽しみにしている。
最後に
まだまだ初めたばかりであり、なんとなく雰囲気をつかんだぐらいではあるが、すでに本作の作り込みの凄まじさに圧倒されている。
このタイトルが文章を読むことが好きな人向けの作品なのは間違いない。
とにかく製作者の熱意を至るところに感じる。
まだまだ行っていないエリア、話したことのない住人がたくさんいるため、気長にプレイしていきたい。
追記:別途プレイ日記を公開中
gameandbooknadonado.hatenablog.com