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アニメ『シェンムー』第3話感想 まばたきする間に第8倉庫潜入

おばちゃんに足を向けては寝られない


春アニメ『シェンムー・ジ・アニメーション』第3話が配信された。

ここでは原作ゲームを最新作『シェンムーⅢ』まで全てクリア済みの自分から見た、アニメ版の感想を語っていこうと思う。

 

 

第2話の感想はこちら。

 

gameandbooknadonado.hatenablog.com

 

殺人の濡れ衣を着せられ殺害された父の潔白を証明するため、独自に調査をはじめた涼。

その手がかりとなる父宛に届いた中国語の手紙を読める人物を訪ねて商店街の一軒の店を訪れる。

 

 

・たばこ屋のおばちゃん、ありがとうございます

手紙に書かれていた電話番号に、涼は商店街のたばこ屋にある公衆電話から連絡する。

不審に思われ電話を切られてしまうが、様子を見ていたたばこ屋の店番のおばちゃんから、104に問い合わせれば電話番号から住所を調べることができるという助言を受ける。

 

ゲームと同様、アニメでも高齢者が活躍するのがファンとしては嬉しい。

大勢の老若男女が登場する『シェンムー』だが、特にお年寄りについては知恵や経験を持った人生の大先輩として描かれていることが多い。

 

ゲームでここまで老人が前に出てくる作品は、自分は他にはあまり思い当たらないので、『シェンムー』ならではの要素と言えるだろう。

そのため高齢者キャラが出てくると、どんなに普通に見えてもきっとただ者ではないはず、とワクワクしてしまうようになった。

 

アニメでも彼らのさらなる活躍を期待したい。

 

 

・序盤最大の難関「第8倉庫潜入」

アニメでは一瞬で過ぎた倉庫潜入の一幕は、ゲームではかなりの難関であった。

 

それまでのんびりと町の人に聞き込みをしていたはずの『シェンムー』はここで突然、警備員から隠れて目的地まで向かうステルス(かくれんぼ)ゲームに変貌するのである。

救済措置として、失敗するとどんどん難易度が下がっていくようになっており、最終的にはかなり簡単になるのだが、それまでこういったゲームをやってこなかった自分は結構苦労した記憶がある。

必死の思いで警備員の目をかい潜り、第8倉庫の扉の前に立ったときの安心感と達成感は今でも強く印象に残っている。

 

アニメでこの大変なゲームプレイ部分がどのように描かれるのか気になっていたため、涼が門を通り抜けるシーンの後、突然飛び出して来た人影には驚かされた。

次のカットでは瞬く間に倉庫内に移動しており、陳親子もすでにそこに立っているという状況であった。

 

ゲーム未プレイの人には、ぜひともこの倉庫潜入を体験し、陳親子にまみえるあのシーンがいかに感慨深いのかを実感してみてもらいたい。

 

 

・麻衣ちゃんが店の手伝いをする世界線

花屋の店先で原崎と話し込んでいたセーラー服の少女、麻衣ちゃん。

ゲームにも登場するキャラクターである。

 

彼女が去り際に放った一言に、自分の耳を疑ってしまった。

 

「お店のお手伝いに行かないと」

 

彼女の母親である絹代おばさんから、ゲーム中何度も「麻衣もお店を手伝ってくれたらねえ……」という話を聞いていた自分としては、かなり衝撃的なセリフであった。

 

第8倉庫潜入が一瞬で終わったことや、鳳凰鏡がアッサリ見つかったことよりも重大な事実であったと言えるかもしれない。

ゲームとはかなり違う設定になっているようで、OPにも登場するほど重要キャラという位置づけをされている麻衣ちゃんの今後から目が離せない。

 

 

・涼の頬の絆創膏

涼の絆創膏はゲームでは始めから貼られており、それについての説明は無かった。

だが、アニメでは藍帝の攻撃によって出来た傷を覆うものとして表現されている。

 

涼は藍帝のことを思い出すたびに、おそらく無意識のうちに絆創膏を、そこに隠された傷跡を触る。

そうすることによって、視聴者もその傷の因縁を繰り返し思い返すようになる。

ただの絆創膏が、ストーリーをもたせることによって、父の無実を証明するのだという涼の強い決意を感じさせる重要なアイテムに見えてくるのだ。

 

これはアニメオリジナル設定の中でも特に優れた表現だと感じている。

 

 

 

さて、第3話もゲーム本編を分かりやすくまとめつつも、陳親子の設定の深堀りや、藍帝が涼と同じく朱元達という人物の手がかりを得るところを描くなどアニメオリジナルの部分にも見応えがあった。

第4話もどんな展開を見せてくれるのか、楽しみに待ちたい。