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アニメ『シェンムー』第13話感想 さくら色の莎木(シェンムー)

親父……

 

4月から配信していた『Shenmue the Animation』がついに最終話を迎えた。

 

全話イッキ見のチャンス!

複数の動画サービスで配信中だが、現在、一週間無料で視聴できるサイトとしてはニコニコ動画Gyao!がある。

しかもGyao!では全13話を一斉無料配信中である。

7月7日(木)の11:59までが配信期間となっている。

見逃していた人も、第1話から振り返りたい人も、ぜひともこの機会にチェックしてみてもらいたい。

また、検索する際はカタカナではなく『Shenmue』と入力しないとヒットしないという話も耳にしたので、探したのに見つからないという人は『Shenmue』でもう一度試してほしい。

 

また、TV放送も開始されている。

関東ローカルのTOKYO MXにて毎週火曜日19:00より放送中である。

こちらは配信より遅れてスタートしたため第9話が放送されたところだ。

 

第1話から見たかった!という人には朗報がある。

7月7日(木)23:30より、BS日テレで放送が開始されるのである。

視聴環境がある人はぜひ始めから芭月涼の物語を楽しんでほしい。

 

毎週夢中になって見た。まだ終わった実感がわかない

 

本題の第13話の感想に入る前に、アニメ全体について軽く振り返っておく。

見終わって今感じるのは、よくぞ全13話で原作ゲームである『シェンムーⅠ&Ⅱ』の内容を描ききってくれたという称賛と感謝の気持ちである。

 

ゲームの『シェンムー』はイベントシーンよりも自らで涼を操作して探索するアドベンチャーパートがプレイ時間の大半を占めている。

自分が一番時間を費やしたのはおそらく町の人への聞き込みであっただろう。

話題が変わるごとにとにかく人に話しかけ続けた。

本筋とは関係のない世間話を聞くのも楽しく、特に横須賀のドブ板の人たちには本当の知り合いでもあるかのように親しみを抱いている。

自分が現在に至るまで『シェンムー』という作品に思い入れを持ち続けたのは、ストーリーが面白いのはもちろんだが、こういったゲーム部分の体験も大きいと思っていた。

 

そのため、そういったゲーム部分を切り離してストーリーだけを抜き出したアニメがどういったものになるのか見る前は想像がつかなかった。

ただ海外で一足先に公開されており、その評判が良かったため大きな期待を持ってもいた。

 

自分がアニメ配信がスタートする前に書いた記事はこちらである。

 

gameandbooknadonado.hatenablog.com

 

今振り返ると作画についてもストーリーについても、この時に期待した通りの仕上がりになっていた。

そのことがしみじみと嬉しく、半ば奇跡のようにすら感じる。

アニメオリジナルのエピソードが上手に盛り込まれており、ゲームをプレイした人でも続きが気になるよう構成されており、結果として『Shenmue the Animation』は一つのアニメとして高いクオリティの作品となっていたと言えるだろう。

 

令和のこの時代に『シェンムー』をアニメという新たな表現で、ここまで魅せる作品に仕上げてくれた制作陣には本当にありがとうと言いたい。

 

それでは最終話の感想を語っていきたい。

前回の感想はこちらである。

 

gameandbooknadonado.hatenablog.com

 

待ちに待った対決

メインビジュアルにあった藍帝と涼との対決シーンがついに登場した。

藍帝の姿を目にした涼は復讐に燃え、我を忘れて立ち向かっていく。

しかし、まるで歯が立たず軽くいなされてしまう。

だが藍帝が涼を覚えており、その成長を認めているということが分かった。

自分はそのことだけで少し報われたような気分になった。

 

勝負は朱元達の呼びかけによって中断され、決着は着かないまま藍帝はその場を立ち去ることになる。

涼は執念に取り憑かれてその姿を追うが、目的のためには立ち止まるなというレンの言葉で目を覚ます。

「ああ、そうだな。礼を言う」

この時の涼の声はいつもより低く、彼の心が落ち着きを取り戻したことを表しているようで印象的である。

 

 

決まった!外門頂肘

斗牛と対峙した涼は今まで出会ってきた人々のことを思い出し、そして秀瑛が語った明鏡止水の教えを胸に、伝授された外門頂肘で戦いに終止符を打つ。

夕陽をバックに逆光で描かれているこのシーンはとても鮮烈で、BGMのメインテーマアレンジがさらに気持ちを高ぶらせる。

ウォンでなくても「やったあ!」と声を上げたくなるカッコよさ満点の場面である。

 

 

頬の傷はもうさわらない

もしかしてバンソウコウを取る日も来るのかもしれない

 

朱元達から鏡に隠された真実と、藍帝は自分の父を巌に殺されたと思い復讐をしたのだということを聞いた涼。

藍帝が向かったという白鹿村へ行くことを決意するが、レンに頬の傷を触らなくなったことを指摘される。

これを聞いて、これまで藍帝を思い出す度に傷に触れていたことには「復讐」という意味が込められていたのだということがハッキリした。

そしてその気持をもう捨てたのだということが分かる。

 

その後の秀瑛との会話でも、藍帝を追うのかと問われて、

「いえ、俺は真実を追います」

と涼は明言している。

敵討ちを目的としていたゲーム版とは違い、アニメの涼は父の潔白を信じ、そのことを明らかにするために香港を後にするのである。

 

 

ウォンとジョイのその後

 

このままウォンが商売人として成功することを祈ろう

 

まっとうに生きたいと言っていたウォンはその後、バナナの叩き売りを始める。

ジョイは母の墓に父が供えた花があるのを見つけ、久しぶりに家に帰ろうかとつぶやく。

これらはアニメオリジナルのシーンであり、彼らの未来が明るいことを予感させる描写にちょっとほろっと来た。

ところでバナナ売りの客の中に、ズボンの色は違うが徳林さんのようなキャラクターがいたのが気になって仕方ない。

 

 

莎花(シェンファ)との出会い

いつも一緒にいた可愛い子ヤギ

 

桂林へとついた涼は白鹿村に向かう途中、溺れたヤギを助けようとするシェンファを追って川に飛び込む。

ついに『シェンムー』のメインヒロインと涼が出会うのである。

シェンファを助けた後気を失った涼は、目覚めると白鹿村にある彼女の家にいた。

 

そしてここでついにタイトルの由来となる莎木(シェンムー)の木が登場する。

ゲームでこのシーンにたどり着いた時は、鳥肌が立つような感動を覚えた。

薄紅色の花が咲く莎木は自宅の庭の桜の木を思わせ、涼はそこに巌の幻を見る。

そして莎花(シェンファ)は自分の名前は莎木の花のことなのだと説明する。

 

タイトルになった木の花の名前。

このことだけで、彼女が重要なキャラクターであり、そして2人の出会いがまさに運命的なものなのだということが分かる。

 

涼はシェンファの父が持っていた図面に鳳凰鏡が描かれていることに気づき、詳細を聞くために2人で採掘場を訪れる。

そこで壁に彫られた鳳凰鏡と龍鏡を見つけ、「その者、東の遠つ国より」で始まる白鹿村に伝わる詩が読まれ、第1話の冒頭へと繋がる。

この時にこれまで出てきたキャラクターの現在の姿が次々に映し出される。

横須賀編の原崎と貴章が登場したのはうれしいサプライズであった。

 

詩は「長き物語は今、始まれり」で終わり、画面には「The Story Goes On…」の文字が浮かび上がった。

2期の発表はなかったが、少なくとも制作陣は作るつもりがあるのだと自分は受け取った。

 

いつか、必ず

 

つくづく『シェンムー』をアニメ化してくれたことには、本当に感謝しかない。

毎週木曜日が楽しみでしかたないこの数ヶ月だった。

いつの日か『シェンムーⅢ』をアニメで見ることができることを待ち望んでいる。

そしてなにより、ゲーム本編の続きである『シェンムーⅣ』が出る日を心待ちにしている。

 

長き物語の終わりを、必ずこの目で見届けたい。