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超短編自宅探索ADV『上に天井がある。』クリア感想

超短編ADV『上に天井がある。』(Steam)をクリアしたので、その感想を語っていきたい。

クリア後に解放される探索モードをプレイしても1時間ほどで全実績をコンプリート出来るほどミニマムな作品だった。

短い作品なので、ストーリー展開など少々ネタバレも含んだ感想となっているため、注意してもらいたい。

 

タイトル画面。なんだか不安をあおるがそこまで怖い作品ではない

 

基本的にはポイント&クリック形式のADVであり、自宅の中を探索していく。

自室やキッチン、バスルーム、そして”天井”。

主人公は医学を学ぶ学生であり、日々の勉強に追われ、かなり精神的に追い詰められた状態となっている。

 

医学の本や勉強ノートでいっぱいのデスク

 

いつものようにベッドで目覚め、キッチンで朝食をとる。

そして部屋に戻ろうとしたところ、突然見知らぬ奇妙な場所へと迷い込んでしまうのである。

 

本の山を乗り越えて出口を目指す

 

そこは、主人公の追い詰められた精神を反映しているかのような空間だった。

日々必死で読んでいる医学の本を連想させるような書物の山に埋めつくされており、

壁に貼られている〇や×印のつけられた無数のカレンダーは時間に追われる気持ちを物語っているようである。

 

 

不穏な雰囲気ではあるが、ここで起こる出来事は特段恐ろしいものではない。

時間制限もないため、焦らされることもなくゆっくりとプレイすることができる。

主人公も異常事態に見舞われている割には結構落ち着いている。

それにこの場所は抜け出せないという訳でもなく、順路どおり進んでいけばきちんと出口にたどりつけるのだ。

自宅に戻ることができた主人公は、リフレッシュのためにバスルームで歯を磨く。

 

鏡に映る疲れた様子の主人公

 

しかしそうするうちに再び奇妙な現象に襲われるのだった。

今度は自宅そのものが変容し、主人公は白昼夢を見ているかのような、現実とまぼろしの境目に身を置きつつ、活路を見出すために探索をすることになる。

 

 

エンディングは2つ存在し、複数あるチェックポイントからいつでもリスタートできるため、回収はさほど難しくはない。

クリア後には後日談にあたる探索モードが解放され、緊迫感があった本編からうって変わった温かいムードの自宅をのんびり見て回ることができる。

心理的に追い詰められていた主人公が、どこか吹っ切れた明るい表情になった様子を確認できたのはうれしかった。

 

 

短時間でクリアできるADVを探している人にはぜひおすすめしたい一作である。

Steamで235円で発売中である。