春アニメ『シェンムー・ジ・アニメーション』第12話が配信された。
ここでは原作ゲームを最新作『シェンムーⅢ』まで全てクリア済みの自分から見た、アニメ版の感想を語っていこうと思う。
第11話の感想はこちら。
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ウォンとジョイの決意
冒頭でウォンは涼を助ける理由として、そうすることで自分が変われるかもしれないからだと語った。
前回レンが涼に協力してくれている訳についても、同じ説明がされていた。
香港で暮らす上でいろいろなことを諦めざるを得なかった彼らの目には、掟破りな涼はただの常識知らずの外国人ではなく、人生観まで変えるような大きな存在として映っているのだろう。
これはアニメで加えられた説明であり、ゲームでは彼らが涼に協力する理由については特段語られていなかった。
いつの間にか涼が慕われて、付いてきてくれているという印象があった。
今改めて考えると、身を投げうってでも涼を助けようとしてくれるからにはそれ相応の覚悟があったはずである。
今回のアニメ版でその経緯が語られ、黄天楼にウォンとジョイがいた理由がようやく分かり、長年の疑問が解けてスッキリした。
それにしてもアニメでもゲームでも涼自身は他人に与える影響などまったく気にせず、ただ自分の信念を貫こうとしているだけなのがいっそ清々しいほどである。
ギャグ要員になり、愛嬌の増したユアン
ユアンがゲーム版よりもギャグっぽいキャラクターになっているのが印象的だ。
特に今回はネズミにパニックになったり、ゴミ箱で脅迫されて百面相を見せたりとコミカルなシーンが多かった。
ゴミを浴びせられエレベーターのドアが閉まった後、甲高い叫び声が段々低い男の声に変わっていくところなどは笑ってしまった。
ゲームプレイ時にはユアンにはキレたら危ないキャラという印象を持っていたので、ここまでギャグ路線に走ったのは意外でもあった。
けれども九龍のアクションに次ぐアクション、という緊迫したストーリーの中ではホッと息をつけるギャグシーンがたしかに必要だったかもしれないと思える。
それにしてもアニメ版のユアンはドジを踏んでばかりで、なんだか愛嬌すら感じる。
最終話に向けて
メインビジュアルの1つにあった涼と藍帝の対決は、次回に持ち越しのようである。
最終話で九龍編を終わらせて一気に桂林まで進み、シェンファと出会うのだと考えると、かなりのハイスピード展開になるかもしれない。
とはいえ、これまで毎回ストーリーを凝縮して、さらにアニメオリジナル展開まで入れたハイクオリティなアニメ版シェンムーを見せてくれてきたことを考えると、心配することはないのかもしれない。
ストーリー以外に気になるのはアニメ2期が制作されるか、またゲーム版についてのニュースが出るかなのだが、配信ということを考えるとそもそもそれを報じる枠がない可能性もある。
欲張らずに、まずは全力で『Shenmue the Animation』第13話「莎木」を楽しむことにしたい。