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なつかしゲームから最新ゲームまでアツく語る!

アニメ『シェンムー』第9話感想 まちがいだらけの茶碗陣

一度はやってみたい茶碗陣


春アニメ『シェンムー・ジ・アニメーション』第9話が配信された。

ここでは原作ゲームを最新作『シェンムーⅢ』まで全てクリア済みの自分から見た、アニメ版の感想を語っていこうと思う。

 

第8話の感想はこちら。

 

gameandbooknadonado.hatenablog.com

 

涼のサイフが初登場

教わったばかりの茶碗陣を街中でさっそく試してみる涼。

待ち続けたあと、なにも起こらなかったことにがっかりし、ため息をついて店主にこう告げる。

 

「すみません、お勘定を」

 

まず、なにか注文していたのだということに驚いた。

茶碗は空のようだったからお茶を4杯頼んだというわけでもなさそうだ。

茶碗陣を試すためだけに来たのだから、軽いものしか頼んでいないだろうとは思われる。

しかしそれなりに間を保たせることのできる、絶妙なオーダーだったに違いない。

何を食べたのか、見てみたかった。

 

それというのも、ゲーム版『シェンムーⅠ&Ⅱ』では、涼はジュースは飲むが食事はしない。

『Ⅲ』においても設定として食事をしてはいるのだが、食べるシーンというのは映らないのである。

そのため、「涼の食事シーン」というのは、大変レアな映像なのである。

「Ⅰ」の回想シーンで子どもの頃の涼が人参を食べる姿は見られるが、個人的には今の涼がリアルタイムで食事をするところが見たいのだ。

 

そして、次にゲームでもアニメでも初登場となる涼のサイフが姿を現す。

黒い、シンプルな二つ折りのサイフである。

高校生が持つには割とシックなチョイスに感じた。

とはいえ涼はハンカチの代わりに手ぬぐいを持ち歩いているくらいだから、渋い趣味なのかもしれない。

 

 

メニュー公開!涼の朝ごはん

涼は好き嫌いはあまりなさそうだ(人参以外)

 

おびき出された公園で不意打ちをくらって昏倒した涼は、秀瑛の部屋で目を覚ます。

芳梅がやってきて、涼は朝食の席につく。

 

この時に映った朝食メニューは、調べてみると香港の定番の朝ごはんのようだ。

おそらくお粥、揚げパン、ミルクティーなのではないかと思われる。

揚げパンをちぎってお粥に入れて食べるのがセオリーらしい。

 

涼が実際に食べるところは映らなかったが、メニューが分かったというだけでも貴重なシーンであることには違いない。

また、洋式ではなく香港の郷土料理だったのも異国情緒を感じられて良かった。

 

 

難関・理髪店QTE

別の茶寮で茶碗陣を試す涼に、話しかけてきたのが理髪店の主人・孔張喩である。

ちなみに自分は「張」が姓だと思っていたのだが、このアニメで「孔」が姓であると知った。

ゲームでも訳あり感がすごかったが、アニメでは過去に起こった出来事により腕に傷跡があるという設定が付け加えられ、さらにただ者でない雰囲気が醸し出されている。

 

涼を自分の理髪店に招き、席に座らせ、ゆっくりとカミソリを研ぐ。

店はやたらと薄暗く、不穏なムードが漂っている。

近寄ってきた張喩は、いきなり涼の喉元にカミソリを突きつけるのである。

 

ゲームではこのシーンがQTEイベントになっており、自分は何回も失敗した。

シェンムーⅡ』ではシビアなタイミングのQTEが多く、やり直すことが何度もあったが、ここがもっともリトライした場面かもしれない。

これを初見でクリアできた人はどのくらいいるのだろうか。

 

アニメでは涼はまたしても「足りない」と言われ、武徳を教えてもらうことなく店を後にする。

 

 

「神のご加護を」

原作ファンが楽しみにしていたレンと涼との出会い、「神のご加護を」のシーンがいよいよ登場した。

 

このイベントはゲームでは攻撃を避けるQTEとなっていたが、アニメではその前にウォンから聞いた「弱いところを見せるな」という助言を受け入れ、涼は眉一つ動かすことなくその脅しに耐えてみせる。

 

涼が逃げるレンを追いかけるシーンはゲームにもあったが、QTE満載のイベントであり、アニメでもそれがうまく再現されていた。

 

2人が崩れる足場から落ちるシーンは、角度を変えて3回繰り返されるなどダイナミックな描写で、見ごたえがあった。

トラックの荷台に落ちて助かるというオチも含めて、カンフー映画を彷彿とさせるアクションシーンであり、原作でも好きな場面である。

 

レンにその度胸と「金の匂い」を認められた涼は半ば利用される形ではあるが、手を組み、朱元達の足取りを追うことになる。

 

レンは香港編における「愛すべき友」の一人であると考えていいだろう。

タッグを組んで戦うという点では横須賀編における貴章と同じような立ち位置となる。

だがクールで親子の情を大切にするという点で涼に共感していた貴章と違って、レンの言動はギャング団の長らしくかなり不良じみており、行動を共にする理由も「金」であるなど、同じ「友」であるとしても趣はだいぶ異なっている。

そして貴章とレンのキャラクター性の違いによって、涼とのタッグもかなり雰囲気が違ってくる。

レンと涼は年が近いせいか、言いたい放題で遠慮のない関係に見える。

自分は貴章と涼のタッグも熱いと思うが、この友達感のあるレンとのテンポの早いやりとりにも魅力を感じる。

 

アニメ版のレンがこれからどのくらい深堀りされていくのか、楽しみである。

 

 

 

さて、ついにレンも登場し、朱元達への足がかりも得られた。

あと4話でどのようにストーリーがまとめられるのか、楽しみに待ちたい。