Nintendo Direct2023.2.9にて突如発表されたスクウェア・エニックスの新作ADV、
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』。
本作について考えれば考えるほど楽しみで仕方ないので、現時点で判明している情報を元に、いろいろと思うところをしゃべり倒し、なおかつどんなゲームであるのか大予想してみることにした。
タイトルについて語る!
まずタイトル。
『パノラマサイト』ではなく『パラノマサイト』であることに注意されたい。
おそらくこれはスクエニの造語である。
そして『FILE23』とあることから、「シリーズものか?」と思わせておいて実際のところは完全新作ADVであり、~FILE22までに何が描かれてきたのかは現時点では謎である。
そして『本所七不思議』。
これは本作の舞台となる東京都墨田区に実際にある地名「本所」の周辺に伝わっている七不思議である。
検索したところWikipediaに全て載っていたので、詳しく知りたい人はそちらを見てほしい。
だいたいが、「不思議な声や音が聞こえてくるという江戸時代の怪談」である。
ちなみに宮部みゆき氏の時代小説に『本所深川ふしぎ草紙』という作品があり、これはまさにこの本所七不思議をモチーフにした連作で、なかなか面白いのでぜひおすすめしたい。
アツい!東京下町
もしかして東京下町が今アツいのかもしれない。
これまでゲームに登場する東京といえば渋谷などの流行最先端エリアで、オシャレでポップな、あるいはクールな「ザ・東京」イメージが描かれていた印象がある。
(『Ghostwire:Tokyo』は渋谷が舞台であるが庶民的なエリアもあるようだが)
本作の舞台である墨田区には、東京スカイツリーや相撲の巡業場所として有名な両国国技館などがあり、23区内でも下町エリアとして知られている区である。
自分の知る限り、これまでゲームの舞台として登場したことはないのではないだろうかと思われる。
本作が墨田区を舞台としたホラー作品であることから、関連して思い出したのは、西洋浪漫サスペンスホラーノベル『ファタモルガーナの館』で知られるNOVECTが開発中の『プロジェクトコード“M”』である。
この作品では、墨田区に隣接する同じく下町エリアの台東区浅草が舞台となっており、現在公開されているスクリーンショットにも観光地として有名な雷門が映っている。
こういったあえての下町チョイスから推測されるのは、これまでの都会的で洗練された東京のイメージから脱却して、”生活感のある東京”という新しい一面を描きたかったのではないかということだ。
特に若い世代のゲーマーにとっては、下町の庶民感やレトロ感が一周回ってインパクトのある魅力的なものに見えるのかもしれない。
このゲームが楽しみな個人的理由
『パラノマサイト』には墨田区観光課や郷土資料館も協力しているそうなので、本所七不思議の各エピソードの舞台となったスポットをめぐりながら墨田区の名所を紹介するという流れもあるかもしれない。
個人的にはそれも大いに楽しみにしている。
それというのも、まったくゲームとは関係ないが、自分はかつて江戸落語と相撲にドハマりした時期があった。
来る日も来る日も落語を聞いた結果、おのずと浅草を中心とする東京下町エリアに詳しくなっていき、並行して江戸文化研究で知られる杉浦日向子氏の本や、先述した宮部みゆき氏の時代小説を読み漁った。
そしてNHKの相撲中継を毎日欠かさずチェックし、聖地・両国国技館まで足を運んだほどだった。
そのため個人的に本作が江戸情緒を残す墨田区が舞台であること自体が大変アツいのである。
しかも時代は昭和、より一層下町感が残っていた頃だろう。
本作は360度で臨場感ある背景グラフィックが描かれているというので、穴が開くほど目を凝らし、心ゆくまでレトロ墨田区を堪能したい。
今夜、墨田区で呪い合い
もちろん、ストーリーも気になる。
なんといっても、本作で前面に押し出されているのが「呪い」であるという点は見逃せない。
昭和の墨田区という一見ほのぼのした舞台で描くことが「呪い合い」であるというギャップがすごい。
本所七不思議を追ううちに死者を蘇らせるという禁断の術に関わっていき、呪いの力を(おそらく)手に入れ、同じ力を持つ者と呪いバトルを繰り広げる――いろんな要素がてんこ盛りである。
これはもしかすると一種の「バトルもの」なのだろうか?
呪いの力を発動させるためには条件があり、それが何であるかはまだ明かされていないのだが、自分はこれは「特定のフレーズを相手に言わせる」ことなのではないかと予想している。
これはバラエティ番組などで「隠れたミッション」としてよく出てくる手法で、何も知らされてない相手に一種の誘導尋問を仕掛け、自然とお題となっている言葉を口にさせるというものである。
「呪い」に必要なフレーズが数種類あり、それらをすべて言わせたら発動できる、そういうものではないだろうか。
しかしもし「呪い」が言葉が引き金になるものなら、相手と口を聞かなければいいだけの話である。
そのため、話をしなければならない理由が必要だ。
死者を蘇らせたい人々が集い、その中で生き残った最後の一人だけが願いを叶えられるという設定で、強制的に会話バトルを繰り広げる物語なのではないだろうか。
あまりにも救いがなさすぎる?
葛藤はあるのか?
あと、気になるのは主要人物が9名というところだ。
自分は初め、七不思議にまつわる呪いの力がそれぞれ存在し、各キャラクターにそれが割り振られているのかと思ったが、そうなると人数が余ってしまう。
もしかすると、「呪いの力を持つ人間」+その相棒という組み合わせがあってトータル9名なのかもしれない。
設定を見る限り主人公は特に誰かの蘇生を願っているわけではなさそうなのだが、呪いの力を手に入れてバトルに参加しているようである。
ヒロインらしき女性は愛犬を生き返らせたいと思っているようだが、もしかしてその代理として主人公が参戦するのだろうか?
しかし、そのために人ひとり呪い殺すのはいささか……というかかなりやり過ぎだと思われる。
主人公の倫理観から来る葛藤なども描かれるのか、それとも全員割り切って呪いバトルで頂点を目指すのか、その辺りの温度感も気になる。
まとめ
本作はスクウェア・エニックスの完全新作ADVであり、同じようにニンダイで発表され昨年発売された『春ゆきてレトロチカ』が大変面白い作品だったので、期待がふくらむ。
自分は実のところホラーはあまり得意ではないのだが、昭和の墨田区を見たいという気持ちと、呪いの発動条件が気になるという点からも、このゲームをプレイしたいという意気込みでいっぱいである。
PVを見ると、まるで古い映像のようにノイズが入ったグラフィックになっており、それがどこか不気味であり、昭和レトロ感をうまくホラー的演出に活かした独特の雰囲気を醸し出している。(PVだけの演出かもしれないが)
現在は事前予約の割引セールも行われている。
自分はSwitch版を予約する予定である。
ああ、それにしてもあまり怖くないことを祈ろう。
CERO:D(17歳以上)ならばそこまでショッキングなシーンはないと思いたい。
しかし怖い怖いといいながら、やっぱり楽しみで仕方ない。
よし、できるだけ昼間にプレイしよう!!