「超ゆる企画!懐ゲーでクリスマスカウントダウン」は、うろ覚えでなつかしゲームを語っていくというクリスマスまでの期間限定シリーズである。
「とにかく毎日アップする」ということを目標に、時短のために一切何も調べず記憶だけを頼りにして書いていくため、あやふやな記述だらけの記事となることをご了承いただきたい。
そして、既プレイの人向けに書いているので、ネタバレにも注意してほしい。
さてと、いよいよクリスマスイブ。
だが、この企画は12月25日のクリスマス当日まで続くのである。
なのでまだ終わらない。
前回の記事はこちら。
gameandbooknadonado.hatenablog.com
『シャドウオブメモリーズ』というかなりのマイナータイトルを取り上げたが、今回はゲーマーなら誰もが知ってるアトリエシリーズの原点、
『マリーのアトリエ』
を語っていく。
このゲームは自分が初めてプレイしたPlayStation作品である。
当時自分が愛読していた『電撃プレイステーション』という雑誌でこのゲームが紹介されており、それを見た時に、「どうしてもこのゲームを遊びたい!」と強く思った。
なんといっても最大の魅力はキャラクターである。
マンガ家の桜瀬琥姫(おうせ こひめ)氏の描く、可愛らしく、かっこよく、味のあるキャラクターたちに目を奪われた。
特に桜瀬氏の描く衣装デザインは独特で、唯一無二と言ってもいい。
ぜひ画像検索をしてみて欲しい。
そしてゲームシステムも斬新だった。
”アトリエを運営して冒険者に売るアイテムを作る”という、今までにない発想に驚かされた。
今まで深く考えずにアイテム屋で購入していた回復アイテムなどを、実際に自分で材料を集めて、作り、販売するというゲームプレイがあまりにも面白そうで、雑誌を手に胸を踊らせたことを覚えている。
かくして、無事『マリーのアトリエ』を手にした自分は、いそいそとコントローラーを手にとった。
主人公マリーはあまりの成績の悪さに、所属しているアカデミーを落第しそうになっており、特別措置として、卒業試験代わりに5年間のアトリエ経営を任される。
その5年のうちに特定の条件を満たすことで、卒業か落第か、はたまた別の道を行くのかという風にエンディングが分岐するのである。
アイテムの素材は、自ら赴いて収集しなければならず、街を出るにあたって護衛として冒険者を雇うことになる。
ここで数々の魅力的なキャラクターが登場し、作品を華やかに彩ってくれるのである。
まずは一番近場の「ヘーベル湖の水」を集めるところからはじまる。
水はいくらでも採れる上、一番基本のアイテムを作るのに使うので、序盤はヘーベル湖ばかりを訪れていた記憶がある。
各地を訪れ素材を集めつつ、時にはちょっとしたRPGのような戦闘を繰り広げ、アトリエに戻ってアイテムを作る。
基本はこの繰り返しである。
冒険者達にはちょっとしたショートストーリーもあり、そしてたしか好感度の設定もあるため、ひいきのキャラクターを何回も雇う人も多いだろう。
自分が気に入っていたのは、ライバル的立ち位置のキャラクターであるクライス・キュールだ。
彼はアカデミー最下位のマリーとは真逆の、アカデミーの主席。
メガネが印象的な、イヤミなキャラクターとして登場する。
ちなみにCVは子安武人氏である。(これだけでキャラが把握できる人もいるだろう)
『マリーのアトリエ』には公式のイラスト集があり、その中には桜瀬琥姫氏書き下ろしのコミックが掲載されていた。
ここで明らかになるのが、「マリーとクライスは実は両思いだが、お互いそれに気づいていない」というすれ違いラブコメ設定である。
それをふまえると、イヤミなクライスの態度も「本当は好きなのに素直になれない」という可愛げのあるものとして受け取れるし、おそらく自分の気持ちに無自覚であるマリーの無邪気な態度が、よりいっそう二人の関係を甘酸っぱいものに感じさせる。
アトリエには、冒険者がアイテムや素材を求めて訪れることがある。
期間が設けられ、それまでに希望の品を用意する必要があるのだ。
当日までにアイテムを無事調達していれば、冒険者たちは感謝の言葉を述べ、お代を支払ってアトリエを後にしていく。
そんなある日、クライスがアトリエを訪れた。
「あなたに頼みたいものがあって……」
この二人のラブコメ設定を知っていて、そしてなによりクライスがすっかり気に入っている自分としては、どんな依頼だろうが必ず応えたい。
そう思っていた。
「ドンケルハイトを用意してくれませんか?2週間後に取りに来ます」
クライスはアトリエを去っていった。
…………。
ドンケルハイト?
ドンケルハイト!?
なんでよりによってドンケルハイトなんて欲しがるんだ!
煩悶でその場を転げ回りたくなるような依頼だった。
切ないからではない。
ドンケルハイトは超超超レアアイテムなのである!
一年に一回訪れる日食の日(たしか6月18日)に一個だけしか手に入らない『マリーのアトリエ』において最も貴重な素材なのである。
そして、クライスが来たのは10月であり、その年にとれるドンケルハイトはすでにアイテムを作るために使ってしまっていた。
つまり、持っていない。
そして、来年の6月まで手に入れることはできない。
なのに、クライスがやって来るのは2週間後――――。
苦悶に満ちた2周間が過ぎ、ついにその日がやって来た。
アトリエにやって来たクライスに、ドンケルハイトが用意できなかったことを告げた……。
するとクライスは冷たい口調で言い放った。
「そうでしたか。期待した私がバカでした」
期待した私がバカでした
期待した私がバカでした
期待した私がバカでした
このセリフが自分の頭の中でこだました。
クライスはアトリエを去っていった。
自分はどうすれば良かったのか誰か教えて欲しい!!
おそらく欲しがるアイテムはランダムなのだろう。
でもよりによってドンケルハイトを欲しがるのは反則じゃないか!?
もし持っていたとしても、卒業試験に必要なアイテムを作るためには必須の素材だ。
渡していたかどうかは微妙なところだ。
しかし、今になってみればこれも笑い話だ。
ほのぼのした『マリーのアトリエ』で唯一悔し涙を飲んだあの一件は、いわばゲームのランダム性の生み出したイタズラだ。
ある意味貴重な体験だったと言えるだろう。
さてさて、時間もいい感じに過ぎてきた。
今回はこの辺で終わることにしよう。
ではまた明日!