9月24日(土)に開催されたゲーム『バディミッションBOND』の朗読劇イベント『バディミッション BOND 大抗争! ミカグラカップ』。
あれから早くも3ヶ月が経ち、今年も終わろうとしているが、あの公演について語り終えるまでは2022年は終われないと思い、遅くなったが感想を書くことにした。
自分は昼夜両公演をオンライン配信で視聴し、アーカイブ期間にも繰り返し観て、同時試聴会にも参加していた。
『ミカグラカップ』を見逃してしまった人、もしくはまた見たい!という人は、2023年2月に『ライブビデオ バディミッション BOND 大抗争! ミカグラカップ』(税込7,700円)の発売が予定されている(公式Twitterより)ので、それを楽しみに待ってほしい。
ちなみにこのライブビデオは2022年2月に開催された『バディミッションBOND METEOLIVE』とのセット版(税込14,300円)も発売される予定だ。
こちらの公演はゲーム内音楽の演奏会である。
名場面のスクリーンショットがときおり背景に映ることもあるが、基本的に音楽を聞くことがメインの公演であり、朗読などは一切ないので注意してほしい。
本題の『ミカグラカップ』の話に入る前に少しだけこの『バディミッションBOND METEOLIVE』の話をさせてもらいたい。
あまり視聴した人がいないのではないかと思い、記事にしていなかったのだが実は語りたかったのだ。
――――――――――――以下、余談――――――――――――
自分はサントラを聴き込んでいたのでこのライブには大興奮しっぱなしであり、特に夜公演でしか聴けない『巫女の歌』から『潜入~月影を掠めて~』の流れが最高にアツかった。
どちらの公演でもラスト近くに演奏される『運命の輪郭』はタイトルだけではピンとこなくても聴けばすぐ分かる、ストーリーが盛り上がるシーンで必ず流れる”あの曲”であり、気持ちが高ぶり思わずウルッと来てしまった。
――――――――――――余談終了――――――――――――
『バディミ』関連のイベントは複数あるため、これまでのイベントを簡単にまとめてみる。
2021年9月開催
『バディミッション BOND メテオライト・ショー 』
→略称「バディオラ」。
朗読劇。チームBONDの4人が出演。
エンディング後、チームBONDがミカグラ島を離れるまでの間に起きた事件を描いて いる。
ライブビデオ(Blu-ray)はすでに発売中。
2022年2月開催
『バディミッション BOND METEO LIVE』
→略称「バディライ」。
演奏会。楽器演奏者&歌唱担当者のみの出演。
ライブビデオ(セット販売)が2023年2月に発売予定。(単独販売もおそらくある?)
2022年9月開催
『バディミッションBOND 大抗争! ミカグラカップ』
朗読劇。チームBOND&ゲスト声優2名が出演。
エンディングから約2年後に、カジノ街編の終了後に起きた事件を回想する。
ライブビデオが2023年2月に発売予定。
購入の際には気をつけてほしい。
さて、話を『バディミッションBOND 大抗争! ミカグラカップ』に戻そう。
視聴前の期待と不安
開催前に自分が行ったストーリー予想などはこちらの記事にある。
改めて読むと割といい線いっていた……かもしれない。
gameandbooknadonado.hatenablog.com
なお、当日はアップルパイと三色だんごを用意して配信に臨んだが、公演中に食べている暇などないことに気が付き、昼の部が始まる前にそれらを平らげてしまった。
「三色だんご」――そう、「三色だんご銃」というキーワード。
このいわば”トンチキ”なアイテムの存在が、実際に公演を観るまで自分の頭を悩ませていた。
この単語だけ聞くと、コミカルなストーリーを思わせるが、ゲストキャラクターとして紹介されたのは菓子店のオーナーかつマフィアのドンであるという重厚感あふれる中年男性2人である。
この『ミカグラカップ』がどういう雰囲気のストーリーになるのかいまひとつ把握できないまま、正直期待半分不安半分で配信に臨んだのだった。
ゲーム画面が”見えた”
自分は前回の朗読劇『バディミッション BOND メテオライト・ショー 』を配信ではなくBlu-rayで鑑賞し、しかもその時はシナリオを読みながらだったため、リアルタイムで声優さんが演じるところを観るのは初めてだった。
そもそも、『バディミ』に出会うまでは朗読劇というものを観たこともなかったのだ。
実際に観てみると、当たり前なのだが、目の前にいる声優さんからキャラクターの声が聞こえてくる。
そうすると、ごく自然に脳内にゲーム中のキャラクターの立ち絵が浮かんでくるのだ。
今、この表情だな、というのが分かる。
目は声優さんを観ているのに、二重写しのようにキャラクターも思い浮かべているという、自分でも不思議な状態になっていた。
これは、いったんドラマCDを挟んだことで、声=キャラクターというイメージが思い描きやすくなったのかもしれない。
そしてこれも当たり前のことかもしれないが、声優さんの演技(発声・スピード)がまったくゲーム本編と同じであり、BGMと相まって、キャラクターどころかゲーム画面そのものまで脳裏に浮かんできた。
とくに潜入ルートを検討するシーンなどは会話の展開がゲームそのままだったこともあり、マップ+キャラクター+吹き出しの画面構成がハッキリと”見えた”。
もともとこの「スポーツ街編」はゲーム本編にあったストーリーだったということだったが、確かに構成からしてもそのままゲームに当てはめられそうであった。
さて、それでは『ミカグラカップ』の内容について語っていきたい。
これぞ『バディミッションBOND』!
結論から言えば、『ミカグラカップ』のストーリーはコメディではない。
ゲーム本編と同じく、キャラクターたちのやりとりは軽妙だが、メインストーリーはシリアスに語られる。
『バディミ』ファンが作品に何を求めているかは各々違うと思うが、自分は一番に「ストーリーの良さ」に期待しており、『ミカグラカップ』はそれに十分応えてくれたと思っている。
これこそ『バディミ』の真骨頂!と言える充実した内容だった。
冒頭、ルーク登場からテンポよく過去の回想に入り、リュンヌ社長が登場してすぐにこの物語の方向性が見えてくる。
ネタ要素と思われた「三色だんご銃」についても、悪趣味であるという表現はされるが大真面目に凶器のひとつとして扱われる。
そして『ミカグラカップ』最大の特徴として、昼公演・夜公演でストーリーが完全に分岐し、違うエンディングを迎えるという点を挙げたい。
ゲーム本編でどの潜入にも2つのルートがあったように、『ミカグラカップ』にも2つのルートが存在し、それぞれが昼・夜に割り振られている。
必然的に捜査すべき対象も異なり、正解バディの組み合わせも各公演ごとに変わってくる。
ライブビデオには両公演収録されると思われるので、どちらも観る予定の人は、ぜひとも配信と同じ昼→夜の順で視聴することをおすすめしたい。
おそらく公式もそれを想定してストーリーを練ったのだろうと自分は思っている。
不穏なモクマ&チェズレイ再び
『ミカグラカップ』を観る人は、ほとんどがクリア済みのプレイヤーだろう。
カジノ街編が終わったばかりのチームBONDの人間関係がどうだったかを思い出してほしい。
特にモクマ&チェズレイのバディがどういう温度感だったか――。
自分にとってこのバディが醸し出すどう転ぶか分からないハラハラ感は本編をプレイする上での大きな牽引力となっていた。
あのヒリつく空気を久々に味わい、これぞ『バディミ』!と嬉しくなった。
とはいえこれはあくまでも現在のモクマ&チェズレイの関係性があってこその話である。
ドラマCD『ヴィンウェイより愛をこめて』で見せてくれたあの相棒感、最高だった。
こう書くと、自分がモクマ&チェズレイのバディに肩入れしているように感じるかもしれないが、実のところは、チームBOND推しである。
ルーク&アーロンのバディも、同じくらい好きなのだ。
6組のバディ、どれも捨てがたい。
ちなみに『ミカグラカップ』を昼夜通して見れば全バディが登場するので、お気に入りバディがある人は出番を楽しみに待っていてほしい。
最後に
さて、「感想」と謳いつつネタバレを避けようとしたら、まだ視聴していない人へのおすすめ記事のようになってしまったが、今年が終わる前に『ミカグラカップ』についてひとまず語ることができて満足している。
これから先、『バディミッションBOND』という作品はどんな展開を見せてくれるのだろうか。
去年のクリスマスは、ドラマCD3作品の同時試聴会というエキサイティングなイベントを開催してくれたが、今年はどうなるだろう。
クリスマスは『バディミッションBOND』のストーリーの始まり(正確にはイブから)ともなる特別な日であるから期待してしまう。
とはいえ、絶えず関連コンテンツを供給し続けてくれている公式にこれ以上望むのも贅沢な話かもしれない。
『バディミッションBOND』の充実ぶりに慣れてしまいそうになるが、これが非常に恵まれている状況だということは肝に銘じておこう――と、自分に言い聞かせている。
ああ、『ミカグラカップ』のことを思い出していたら無性にアップルパイが食べたくなってきた。